現役時代から比べると減ったとはいえ、いまも日に1時間のフィジカルトレーニングを欠かさない。さらにビリヤードなど新たな技術を習得する練習を1時間、新しいことを学ぶためにもう1時間、合計3時間を日課にしている。トレーニングをしんどいと感じる日もあるが、チャレンジし続けることをやめない。

「体や能力は年代ではなく、活動で変わるものだと思います。体の支えが、食事です。食べたいと感じたものを、匂いを嗅いで触感も確かめて食べ、体の中で消化吸収する。好みの素材を好みの味付けで食べる。どんな動物もやっている、当たりまえのことを大切にしています」

 まさに、食に関しても、「獣」であることを大事にしている。巷にあふれる情報より、自分の感覚こそが大事だという。

 陸上十種競技の元日本チャンピオンというトップアスリートが、芸能界に戦場を変えたのは、

「武井壮をより多くの人に認知してもらい、人の心に届く活動をして、笑顔を生める存在になりたかったから」

 選んだのは、「誰よりもチャレンジしている姿を楽しんでもらう人になる」ということだ。(編集部・澤志保)

AERA 2018年8月27日号より抜粋