日本人が知らない「西サハラ」 実は“マグロ”と関係深い外交事情 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本人が知らない「西サハラ」 実は“マグロ”と関係深い外交事情

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平田伊都子AERA

モロッコ軍から奪った旧式の戦車で「武装闘争も辞さず」と意気軒昂な難民軍兵士たち(撮影/川名生十)

モロッコ軍から奪った旧式の戦車で「武装闘争も辞さず」と意気軒昂な難民軍兵士たち(撮影/川名生十)

アルジェリアにつくられた西サハラ難民キャンプ。5カ所に分かれ、20万人が生活する(撮影/川名生十)

アルジェリアにつくられた西サハラ難民キャンプ。5カ所に分かれ、20万人が生活する(撮影/川名生十)

 EUを担当するモハメド・シダティは、新西サハラ担当国連事務総長個人特使のホルスト・ケーラー元ドイツ大統領の協力で、7年間中断しているモロッコと西サハラの直接交渉再開を目指す。1月25日に予定されていた第1回交渉はモロッコが欠席して失敗に終わったが、あきらめてはいない。

 その一方でシダティは、EUとモロッコの漁業契約を監視し、国際社会に警告を発している。そして、日本に対しても、

「モロッコとEUが西サハラ領土抜きで契約を結ぶのは大変結構。だが、国連と国際法は西サハラを非自治地域に指定していて、その地区の天然資源の採取を禁止している。日本は西サハラ領海の大西洋クロマグロを密漁したり、西サハラ大地のリン鉱石を輸入したりしており、恥ずかしいことだ」

 と名指しで非難した。

 日本は世界最大のクロマグロ消費国。日本に出回るクロマグロのうち、大西洋産は4割を占める。大西洋での日本の漁獲枠は18年から拡大するが、今後もクロマグロを食べたければ、日本は西サハラとも交渉する必要がある。

 しかし、大部分の日本人は西サハラの存在すら知らない。10年に発足し、私が代表を務めるサハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション(SJJA)は、日本の人々に西サハラ人のことを知ってもらおうと、西サハラ独立運動創始者の弟バシール・ムスタファを日本に招待した。バシールの来日は実現しなかったが、11年から13年にかけ、2人の西サハラ独立運動の闘士ベイサットとムロウドを日本に呼んだ。


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