17年夏、私は難民キャンプでバシールに再会した。彼は河野太郎外務大臣にあてた、次のような書簡を私に託した。

「日本主催の国際会議であるTICAD(アフリカ開発会議)に、アフリカ55カ国・地域中、西サハラだけ招待されなかった。アジアの要である日本は〈排除の外交〉ではなく〈地球外交〉の精神で、西サハラ紛争の平和的解決に貢献してほしい」

 18年2月7日から、バシールは国務長官とモロッコ占領地・西サハラ担当大臣を兼任している。

 西サハラ難民と友達になりたい人、西サハラ難民キャンプを訪ねたい人は、SJJAに連絡してほしい。トランプ米大統領に遠慮することはない。トランプ大統領の外交顧問ジョン・ボルトンは国連大使だった時、失敗したとはいえ、国連西サハラ住民投票実現に向け努力した人物なのだから。(文中一部敬称略)(ジャーナリスト・平田伊都子)

AERA 2018年3月19日号より抜粋