実はカミラ夫人はダイアナ元妃も自宅に招いていた。『The Duchess:The Untold Story(公爵夫人:語られなかった物語)』(ペニー・ジュノー著)によると、チャールズ皇太子との婚約が決まったダイアナ元妃を「2人の婚約をとても喜んでいる。婚約指輪を見せてほしい」としてランチに呼んだ。いろいろと話した後で、カミラ夫人は「ところで、あなたは狩りが好きですか」とダイアナ元妃に尋ねた。犬を連れて馬に乗りキツネを追う狩りは、皇太子と夫人の共通の趣味で密会の機会でもあった。元妃の「ノー」を聞いたカミラ夫人は、さっそくチャールズ皇太子に「これまで通り私たちはデートできます」と電話したという。

 今回のカミラ夫人からの招待をメーガンは受けるのか。今のところ訪問した様子はない。しかし、義理とはいえ姑に当たるカミラ夫人の招きを、今後も断り続けることはできないだろう。

 2月末に開かれた王室基金フォーラムの際のメーガンの堂々たる姿勢は、強い印象を与えた。ウィリアム王子、キャサリン妃、ハリー王子の主宰する慈善団体に新たに加わるメーガン。4人が舞台に並んだ初めての機会だったが、彼女は臆することなく、女性権利支援について持論を展開した。

 ロイヤルは政治的意見を公の場で述べるのはタブーなはずだが、躊躇はなかった。これを受けて、たとえメーガンが招待を受けても、「さすがのカミラ夫人もたじたじでは?」との声も上がる。「共に離婚経験者。意外と馬が合うはず」とも。果たしてメーガンは受けるか受けないか。招待状の行く末に注目が集まる。

(文中一部敬称略)

(ジャーナリスト・多賀幹子)

AERA 2018年3月19日号

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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