ハローワーク飯田橋(東京都文京区)は都内で唯一、がん罹患(りかん)者の専門相談員を配置し、2人態勢で求職相談に応じている。就職支援ナビゲーターの岡田晃さんは現状をこう語った。

「病名を言った瞬間に会社の担当者の顔が曇って、話が進まなくなる。そういう話は今でも当然のようにある」

 相談者から必ず出る質問は「どのタイミングでがんであることを伝えるか」。岡田さんは、・ハローワークから企業への応募の段階・求職者が応募書類に記入する段階・面接時・入社後──四つの選択肢を示す。

「最も採用率が高いのは面接時に伝えることです。がんに罹患した従業員を持った経験のない会社は、まだまだ『がん=死』のようなイメージを払拭しきれていない。本人が目の前で『今は元気になっています。ただ、ときどき通院が必要なので、休みを取らせてください』などと状況を伝えることで、相手も元気そうじゃないかと安心するのです」(岡田さん)

(編集部・澤田晃宏)

AERA 2018年2月12日号より抜粋