「言語性知能」と「動作性知能」のギャップ(※写真はイメージ)
「言語性知能」と「動作性知能」のギャップ(※写真はイメージ)
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 1997年に新潮新人賞を受賞、著作の『ダンボールハウスガール』が米倉涼子主演で映画化もされた小説家・萱野葵氏を襲った危機。生活のために始めたアルバイトは失敗ばかりで、どれも長続きしない。「言語性知能」と「動作性知能」のギャップに、その謎を解く鍵があった。萱野氏が自らの体験を綴った手記を寄稿した。

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 小説を書けないという困惑から、すべてのことが始まった。

 1997年に小説家としてデビューしたが、2001年にはすでにピークが来ているのを感じていた。正確には、書けないというのではない。書いても「これは行ける!」という感覚がなくなってしまったのだ。完全なスランプだった。

 しかし、一生、小説だけで生きていける人間など一握りだ。私は小説を書くのをやめ、世間の人と同じように働くことにした。医療事務、警備員、牛丼屋店員、スーパー、受付、その他いろんなジャンルの仕事をしてみた。

 もちろん、働くのはこれが初めてではない。しかし、働こうと決心はしたものの、本当は働くのが恐ろしかった。

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