「政治家・石破茂は政界一、ネコに好かれているらしい」という噂がある。石破氏が出るテレビ画面を見るとネコが興奮するとか、どんなネコもすり寄ってくるとか、あの顔がネコには同族に見えるとかなんとか。果たして真偽は? 週刊誌AERAがまるごと1冊ネコの話題に特化した増刊「NyAERA またたび」(12月21日発売)で、まことしやかに囁かれるネコ好き界の“都市伝説”を検証した。
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ある意味、伝説的な政治番組だった。毎週名だたる政治家が出演し、経済政策から安全保障まで真面目に議論を交わすなか、なぜかネコが自由にスタジオを闊歩(かっぽ)している。しかも、生放送でだ。テレビ東京系列で2008年から昨年3月まで放映されていた「田勢康弘の週刊ニュース新書」。政治家が、時にネコを膝にのせ笑みを浮かべたまま論じる様は、視聴者を戸惑わせた。
出演していたネコは、1代目がアメリカンショートヘアのまーご(雄)、2代目が三毛のにゃーにゃ(雌)。
この番組に政治家として最多出演を誇り、2匹のネコになつかれていたのが、衆議院議員で元地方創生大臣の石破茂さんだ。
なぜ、ネコに好かれるのか。根っからのネコ好きだったのか。あるいは、こっそりまたたびを差し入れていたのか。
取材依頼を、石破さんは快諾。忙しい時間の合間を縫って、12月初旬、都内の保護猫カフェ、ネコリパブリック東京お茶の水店でインタビューが実現した。
ここにいるネコは、保護された成猫ばかり。現れた石破さんは堂々たる体躯に黒いスーツ姿で威圧感もある。ふだん女性スタッフらの世話に慣れているせいか、ネコたちはおっかなびっくり、様子をうかがっているようだ。
石破さんは、きちんと正座をして、話しはじめた。
「別にえさやまたたびを持っていったわけではありません。ネコから勝手に寄ってきて、好いてくれたようです。なんの心当たりもないんですよ」
当時をこう懐かしんだ。