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日馬富士の暴行事件から見る モンゴル勢の“絆”と“ねたみ”

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岸本貞司AERA

日馬富士を応援する相撲ファンも多かっただけに、暴行事件での引責引退という結末は残念でならない (c)朝日新聞社

日馬富士を応援する相撲ファンも多かっただけに、暴行事件での引責引退という結末は残念でならない (c)朝日新聞社

 暴行事件が発覚した横綱・日馬富士(33)が、引退を表明した。一連の報道を見ると、過去のある事件がいまだに影を落としている。

「このたび、貴ノ岩関をけがさせたことに対し、横綱としての責任を感じ、本日をもって引退させて頂きます」

 九州場所中に暴行事件が発覚して世間を騒がせてきた横綱・日馬富士(33)が11月29日、引退した。この日は番付編成会議の当日。これより遅れたら来年初場所の番付に名前が残る、というタイミングだった。

「横綱の権威を汚すようなことをした本人が一番悪いんです。人様のせいにするわけにはいきません。本当に申し訳ありませんでしたと言うしかありません」

 引退会見の冒頭、同席した師匠の伊勢ケ浜親方が涙ながらに発した言葉には責任感と無念さがないまぜになっていた。本人は、事件の発覚直後から引退を口にしていたらしいが、本場所中に横綱が不祥事で引退となれば力士たちには大きな迷惑。本場所終了後の引退は自然で、自ら社会的制裁を受け入れた形で潔く思われた。しかし、現場の視線は厳しい。

「鳥取県警は年内にも書類送検する方針だというし、横綱審議委員会も厳しい処分を示唆しましたから、追い詰められての引退でしょう」(スポーツ紙デスク)

「潔いなんて、とんでもない。スクープしたスポニチより先、九州場所が始まる前に情報を入手して日馬富士本人に確認しようとしていたメディアがあったんですから。そこで確認しきれなかったから記事にならず、彼は場所に出場した。バレなければそのままやろうとしてたんです」(相撲記者)

 この事件の報道では、興味深い傾向が見られる。

 日馬富士は引退会見で暴力に至った理由に関し、「弟弟子が礼儀と礼節がなっていなかったときに、それを正し、直して教えてあげるのが先輩の義務……」と語っていた。貴ノ岩が“礼儀と礼節がなっていなかった”からだというのだが、具体的にどういうことなのか?

 その報じ方がメディアによって大きく二つに分かれている。


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