田中美穂「『星三百六十五夜』はいつどこから読んでも楽しめる」 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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田中美穂「『星三百六十五夜』はいつどこから読んでも楽しめる」

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古本屋「蟲文庫」店主・田中美穂さんの読書遍歴を振り返る(※写真はイメージ)

古本屋「蟲文庫」店主・田中美穂さんの読書遍歴を振り返る(※写真はイメージ)

 子どもの頃読んで忘れられない本、学生時代に影響を受けた本、社会人として共鳴した本……。本との出会い・つきあい方は人それぞれ。各界で活躍する方々に、自身の人生の読書遍歴を振り返っていただくAERAの「読書days」。今回は、古本屋「蟲文庫」店主の田中美穂さんです。

*  *  *
 自転車通勤なので、仕事の行き帰りに本を読むことはないのだけれど、出張などで出かける時に必ず鞄に入れているのが、野尻抱影の『星三百六十五夜』。

 タイトルの通り、一年を通じた季節の星空が地上の風物やさまざまな記憶、体験とともに語られている。いまの季節、これからやってくる季節、すでに過ぎてしまった季節、いまから一番遠い季節、と気分や状況に応じて、いつどこから読んでも楽しめるので、旅のともには最適なのだ。初めて訪れた土地でも、夜になるのを待ちかねて空を見上げる。

 今年『星とくらす』という本を出した。すっかり暗くなった帰り道に星々を眺め、追いかけ、時に立ち止まる日常を、簡単な天文知識を交えながら書いたものだ。思えば、毎夜抱影先生の本を「おさらい」しながらの帰り道だったのだ。自著なのによく間違えて「星とあるく」と言ってしまうのもそのせいなのかもしれない。(終)

AERA 2017年12月4日号


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