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“ただの崖”に見学者が殺到 世界遺産より貴重な「チバニアン」

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添田孝史AERA
一見すると「何の変哲もない」地層だが、科学者にとっては宝物だという (c)朝日新聞社

一見すると「何の変哲もない」地層だが、科学者にとっては宝物だという (c)朝日新聞社

 そもそも地磁気逆転という現象も、見つけたのは日本の研究者だ。京都大学の松山基範教授が、1920年代に兵庫県の玄武洞で磁場が逆転している岩石を見つけたことをきっかけに、地磁気が過去には今と反対を向いている時期があったことを報告した。N極が南を向く時代だ。先山徹・兵庫県立大学准教授は

「この発見がその後、プレートテクトニクス理論につながった。そんな話をガイドが紹介すると、玄武洞の見学者も見る目が変わってくる。チバニアンも、地学の楽しさを知ってもらうきっかけになる」と期待する。

 文部科学省の公立高校の履修状況調査(2015年度)によると、地磁気逆転などを詳しく学ぶ地学の履修率はわずか0.8%だ。化学27.5%、生物20.9%、物理16.2%と比べるとあまりに低い。土砂災害や地震、火山による被害にたびたび襲われる日本で、防災に地学の知識は必須なのにこのありさまである。

 チバニアンは、この状況を変える救世主になってくれるのだろうか。

 シャトルバスの運行は、12月17日までの土日祝日のみ。「現場はすべりやすい川岸沿いなので底がしっかりした長靴で来てください」と市は呼びかけている。(ジャーナリスト・添田孝史)

AERA 2017年12月4日号


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