辰巳芳子さんが叱った!「最近の料理研究家は『簡単に』連発し過ぎです」

2017/11/12 11:30

 我ばかり強くなって、自然とひとつにならないと人間は生きていかれないということも忘れています。野菜料理を作るとき、もの言わぬ野菜の求めに応えることで美味が生まれます。そして、野菜というものの“いのち”と、人間の“いのち”との関わりも料理の時間を通して知る。「いのち」という観点から料理は考えないとだめです。

 しかし、だからといって台所仕事を楽してはいけないと言っているわけではないのです。手抜きはだめですけれど、都合の悪いことは科学的に変えていけばいい。例えば炒めものに使う木べら。私は鍋の直径に対してどういう幅やバランスにすると、自分のかけた労力を逃がすことなく仕事ができるかを考えた。科学的なちょっとした工夫で楽にできるものです。

 それよりもあなた、「きょうの料理」の思い出話を集めてどうするの? 北朝鮮のミサイルが飛んで以来、「ミサイルの時代に、日本人はいったいどのように食べていったらいいのか。どういう提案をしたらいいのか」。私はずっと考えていますよ。92歳ですけれどもね。思い出話なんてつまらない。考えるべきは、これからのことですよ。
(編集部・石田かおる)

AERA 2017年11月13日号

1 2

あわせて読みたい

  • 平野レミさんが語る「トマト手つぶし伝説」の真相

    平野レミさんが語る「トマト手つぶし伝説」の真相

    AERA

    11/10

    料理はスポーツと同じ? 美人研究家の「家庭料理」とは

    料理はスポーツと同じ? 美人研究家の「家庭料理」とは

    週刊朝日

    12/24

  • 調理に3時間半 病院で人気の「いのちのスープ」とは

    調理に3時間半 病院で人気の「いのちのスープ」とは

    AERA

    12/22

    「叱られてもどこかうれしい」 92歳・現役料理研究家の言葉が腹落ちするワケ

    「叱られてもどこかうれしい」 92歳・現役料理研究家の言葉が腹落ちするワケ

    BOOKSTAND

    9/14

  • NHK「きょうの料理」60年 試作数十回、秒単位のリハーサル…番組の支えるプロの流儀

    NHK「きょうの料理」60年 試作数十回、秒単位のリハーサル…番組の支えるプロの流儀

    AERA

    11/9

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す