米朝間の対立が激しさを増し、安倍晋三首相は衆議院の解散・総選挙に踏み切った。拉致被害の解決が遠のくと懸念される中、蓮池薫さんが心中を明かした。
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──拉致被害者家族会は「今年中の拉致被害者全員の救出」を日本政府に求め、安倍晋三首相も「拉致問題は安倍内閣の最重要課題」と言ってきました。しかしその期限も残り3カ月を切り、拉致被害の関係者は焦りを感じています。
日本政府が水面下でどのようなことをやっているかは分かりません。それが見えないから不安になるのだと思います。着々と進めていてくれればいいのですが、そのスピードが緩慢だとしたらスピードアップしてほしい。安倍首相は今年3月に、今後の訪朝の可能性について発言されています。それまでの準備期間に、北朝鮮の嘘を見破れるよう、拉致被害者が北朝鮮のどこにいるかといった情報と分析を進め、交渉に当たることが大切です。
──安倍首相は衆議院の解散・総選挙に踏み切りました。事実上の政治空白が生まれ、拉致問題の解決が遠のくという心配の声が上がっています。
内政問題は拉致問題とは別問題ですから、私はどうのこうの言いたくはありません。しかし、拉致問題は拉致被害者家族の問題であると同時に国家の問題。選挙結果がどうであれ、どの党が政権を担当することになっても、拉致問題を第一に考えてほしい。拉致問題解決への姿勢を弱めるのではなく、さらに強めてほしい。それは大前提です。(構成 編集部・野村昌二)
※AERA 2017年10月23日号より抜粋