バイエルはもう古い? 「ギロック」ピアノ音楽業界で魅力広める新たな動き (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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バイエルはもう古い? 「ギロック」ピアノ音楽業界で魅力広める新たな動き

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音楽ジャーナリスト・原納暢子AERA
左から小原孝さん、三舩優子さん、熊本マリさん。イベントではソロ演奏のほか、「ダイアナの泉」を三人三様の表現で弾き比べたり、「小さなすずめ」の6手連弾も披露した(撮影/写真部・岸本絢)

左から小原孝さん、三舩優子さん、熊本マリさん。イベントではソロ演奏のほか、「ダイアナの泉」を三人三様の表現で弾き比べたり、「小さなすずめ」の6手連弾も披露した(撮影/写真部・岸本絢)

 初心者にもピアノ曲そのものの美しさと弾く楽しさを教えてくれたのがギロックだ。初期の段階で興味を失いピアノをやめてしまう生徒を減らし、演奏の歓(よろこ)びを感じながら上達できるように作曲を工夫した。だが、その努力ゆえにギロックには「レッスン曲の作家」のイメージがつき、数々の名曲があることがあまり知られていなかった。

 ギロックを40年ほど前に知った小原が振り返る。

「当時のNHK教育テレビの『ピアノのおけいこ』で、講師の宮沢明子(めいこ)さんが数曲取り上げておられたのです。それまでの練習曲の概念を一新する、厳選された少ない音数で美しい響きを作り出す作品ばかりでした」

 長じて小原はレパートリーにしようとしたが、「新人のころは『演奏会にはふさわしくない』といわれ、レコーディング企画も認めてもらえず、2007年に自主制作CDを出したほどです」。

 しかし、音楽教室で20世紀以降の新しい教本が次々に導入され始めると、ギロックも仲間入り。1969年に日本初版『叙情小曲集』を出した全音では現在、32点の楽譜を出版している。

「初心者から上達レベルに応じて愛奏でき、繰り返し聴いても心地いいので、多くの人に知ってほしい」

(出版部長・新居(にい)隆行)(文中敬称略)(音楽ジャーナリスト・原納暢子)

AERA 2017年10月23日号


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