預金から投資へと資産の在り方が変わりつつある時代。投資初心者向けに、テオのように、プログラムで自動的に運用してくれるロボアドのサービスが急増している。ベンチャー企業を始めとする19社が提供。低額から始められるうえ、スマホのアプリなどの使い勝手がよく、“若者フレンドリー”なサービスが多いのも特徴だ。

 実際、テオの利用者の半数以上は20~30歳代。全体の半数近くがこれまでに投資経験がない投資初心者だ。

「資産運用はこわい、という人も多いですが、まずはやってみることです。テオを始めてから『金融の知識が増えた』『お金のことを考えるようになった』という声は多い。投資のハードルを下げるために、今年8月からは1万円から始められるようにしました」

 と、テオを運用する金融ベンチャーの「お金のデザイン」(東京都港区)取締役COOの北澤直さんは説明する。

●経験者にも人気

 調査会社の矢野経済研究所(東京都中野区)は、ロボアド市場は2021年度には、ベンチャー企業だけで16年度と比較して2倍程度の約40億円まで伸びると予測。

「ベンチャーだけでなく、大手証券会社や地方銀行も参入して市場が拡大します。20~30歳代からロボアドで投資を始め、30歳代後半になってファンドラップなどで本格的に運用をしていくという、年齢層によるすみ分けができていくのではないでしょうか」(同研究所研究員の山口泰裕さん)

 一方、資産運用経験者にもロボアドは人気が高いという。

 コンサルティング会社勤務の宮本敬史さん(38)は、20代後半から少しずつ株の売買を開始し、30代に入ると投信で200万円ほど、株式で100万~150万円ほどを運用してきた。最近では仮想通貨投資も始めた。

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