●考え方が変わった

 ただ、評価額が高くリターンがあるタイミングで解約したくなるかもしれないが、柴山さんはこう釘を刺す。

「足元のパフォーマンスを気にして、短期で売買をして失敗してきたのがこれまでの日本の個人投資家です。資産形成をするには、長期運用で積み立て、分散が基本です」

 ロボアドの多くは使い勝手のいいスマホのアプリでいつでも資産状況を確認できる。またほかの資産管理アプリとの連携もスムーズ。こうしたロボアドの利用をきっかけに、資産形成やお金に対する考え方が変わった人も少なくない。

 前出の宮本さんは、

「ウェルスナビのアプリは見やすく使いやすい。これまでは資産の多くは預金でしたが、ウェルスナビを始めて、預金比率を25%まで下げて投資比率を高めようという意識になりました」

 と話す。宮本さんが資産全体を管理するのに使っているのが、家計簿アプリ「マネーフォワード」。アプリを見ながら、投資比率などを考えているという。

 千葉県在住の販売員の女性(48)は友人から「デフレの申し子」と言われるほど普段お金を使わず、「気づいたら3800万円ほど貯まっていた」。

 独身で老後の不安もある。資産のほとんどは預金と保険だったが、今年4月に参加した金融イベントでロボアドを知り、6月からテオを始めた。お金について勉強や発信をする「きんゆう女子。」のイベントに参加するなど、「資産形成の勉強が楽しくなった」。マネーフォワードでの管理も始めた。

「資産全体を見渡せるようになった。最近になって、どう資産を増やすかという目線になりました」

 お金初心者こそ、ロボアドから始めてみては。(編集部・長倉克枝)

AERA 2017年10月9日号