デジタルコンテンツ制作を行うガイアックスの沼尾弘樹さんは、「占いは視点を変えるツールにもなる。キャリアサポートにも使えるのではないか」とも指摘する。営業職しかしていなかったが、占いの結果、他の仕事にも向いていたかもと分かるだけでも自分の視野が広がる。

●のめり込むのはご注意

 人生を少し楽しいものにするスパイスとしては有用なのかもしれないが、占いにのめり込みすぎるのは良くない。

 独立行政法人国民生活センターによると、占いを含む「祈祷サービス」に関するトラブルの相談件数は12年度の2264件以降、漸減傾向にあり、16年度は1539件、本年度は9月19日時点で582件。同センターは、「東日本大震災に伴う社会不安の増大に比例する形で膨らんだ相談件数が落ち着いてきた」と見ている。

 近年では占いサイト関連の被害相談が相次いでいるという。スマートフォンなどで検索すると、「無料」という表示の占いサイトが連なる。このため気軽に登録して利用すると、初回のみ無料で、占い師とメールなどのやりとりを繰り返すたびに課金されていくシステムにはまり、気づけば高額の支払いを余儀なくされたというケースが典型だ。

 同センターは「あからさまにやりとりを長引かせようとする誘導はおかしい、と捉えるべきです」と警告している。(編集部/柳堀栄子)

AERA 2017年10月2日号