博報堂生活総研による「生活定点」調査で、「信じるものは何ですか?」という問いに「占い・おみくじ」と答えた人は2016年で全体の28%。10年前の結果とほぼ変わらない。

 ウェブサイトではリピーターを増やす鉄板コンテンツだ。一方で、ポータルサイトにある課金型の占いコンテンツをのぞくと、「あの人の本音」「かなわぬ恋をどうすべきか」といったドキッとするタイトルが並ぶ。悩み相談をしたい人と、エンタメ性の高いもので気軽に楽しみたい人と二極化しているのだ。

 そんな中、昨年の10月にLINEがスタートしたのが「トーク占い」だ。LINEが公認する占い師の先生と「友だち」になり、トークルーム内でチャットをする。1分単位で課金され、やめたい時にやめられる。LINEへの安心感と手軽さが受け、利用者数は月間1500万人を超え右肩上がりだ。

「これまでのコンテンツは30~40代の方が高価格でボリュームの大きいものを買うのが通例でしたが、トーク占いでは25~30代女性の利用者が一番多い」

 LINE占いチームマネージャーの川野辺傑さんは言う。占い師と1対1で気軽に相談をしたいというニーズも高まっているようだ。

 LINEは12年に占いコンテンツを始めた。ちょうどガラケーからスマホへの移行が進んだとき。占いは1兆円市場と噂され、雑誌で占いを見たり、ガラケーで月額占いを利用していた人を取り込むのが狙いだった。 だが、スマホの利便性が高まり、漫画やゲームなどのいろんなエンタメが増えると、結果占いに使う時間が減り、市場は以前より縮小した。

●エステに行く感覚で

「ドコモのiモード等で占いコンテンツを始めて15年。いつのまにか勝ちパターンができていた。そこを脱却してかじを切るには勇気が必要だった」

 と話すのは、占いのデジタルコンテンツを提供するザッパラス代表取締役会長兼社長の玉置真理さんだ。同社では、新しい取り組みとして年2回「占いフェス」を始め、今年7月からは「占いTV」をスタートさせた。

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