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訪問国34ケ国、食べた郷土菓子は400種以上…若きパティシエが作る“懐かしいお菓子”

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角田奈穂子AERA

世界の郷土菓子職人 林周作さん(28)/1988年、京都府生まれ。2008年、エコール辻大阪フランス・イタリア料理課程卒業。16年7月、「Binowa Cafe」オープン(撮影/下村しのぶ)

世界の郷土菓子職人 林周作さん(28)/1988年、京都府生まれ。2008年、エコール辻大阪フランス・イタリア料理課程卒業。16年7月、「Binowa Cafe」オープン(撮影/下村しのぶ)

トルコ 「バクラヴァ」/サクサクの極薄生地の層にシロップがたっぷり染み込み、名産のピスタチオをトッピング。専門店があるほどトルコでは愛されている(撮影/下村しのぶ)

トルコ 「バクラヴァ」/サクサクの極薄生地の層にシロップがたっぷり染み込み、名産のピスタチオをトッピング。専門店があるほどトルコでは愛されている(撮影/下村しのぶ)

 自ら旅費を工面、自転車と民泊で世界中の郷土菓子を訪ね歩くパティシエがいる。カフェも開店、レシピ本も刊行した。

【写真特集】若きパティシエの郷土菓子という冒険

「世界の郷土菓子職人」の肩書を持つ林周作さん(28)は、東京・神宮前にある「Binowa Cafe」で、世界の郷土菓子を作り続けている。

 林さんは、2012年6月から15年12月まで、一時帰国を挟みつつフランスから上海までユーラシア大陸を横断した。それも多くのルートは重さ40キロを超える荷物を積んだ自転車をこぎ、地元の人の家に泊まりながら、だ。足の向くまま各国を回り、現地でしか味わえない郷土菓子を食べ尽くしてきた。トルコやインドでは、胃薬を飲みながら、連日、郷土菓子を食べ続けた。

 この旅の前から合わせると、訪れた国の数は34カ国、食べた郷土菓子の数は400種以上にのぼる。そして、その経験を今、自らの手で再現している。

●NHKや三越も注目

 帰国してからの林さんは、郷土菓子研究家としてメディアや菓子業界からも注目されている。今年4月には2冊目の著書『旅して見つけた! 地方に伝わる素朴なレシピ 世界の郷土菓子』(河出書房新社)を刊行。

 NHK Eテレが毎週月曜日の午後10時から放送している人気番組「グレーテルのかまど」には2度出演した。フランスのリヨンのお菓子「クッサン・ド・リヨン」の回では、インタビューだけでなく、実際に菓子を作っている様子も放送された。

「お菓子にまつわる物語性を重視して制作しているので、リアルに魅力を伝えられる人が欲しい。そう思ったときに林さんを知りました。郷土菓子は町の歴史と深く関わり、時間をかけて人々に愛されてきたものです。クッサン・ド・リヨンには歴史があり、製菓にも手間がかかります。それが林さんの郷土菓子にかける情熱と重なり合ったんですね」

 ディレクターの西山千鶴さん(クリエイティブネクサス)は、番組に起用した理由をそう語る。

 林さんは今年5月、三越日本橋本店に期間限定で出店もした。出店場所は地下鉄通路からの入り口前。三越日本橋本店が最新情報を発信するコーナーとして力を入れている場所だ。アシスタントバイヤーの村田麻衣子さん(三越伊勢丹食品・レストラン統括部)は、出店の様子をこう語る。


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