原田知世が「時をかける少女」を再び歌い始めた理由

神舘和典AERA
「原田知世35周年アニバーサリー・ツアー“音楽と私”」は、京都、山形、福岡、広島、東京で歌う。写真は昨年11月のブルーノート東京でのライヴ(撮影/黒田隆憲)
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「原田知世35周年アニバーサリー・ツ...

 原田知世の音楽活動が活発だ。2014年の「noon moon」から、「恋愛小説」「恋愛小説2」と毎年アルバムを発表。7月5日には「音楽と私」をリリース。10代、20代、30代……と歌い続けてきた曲を新アレンジでセルフリメイクした。

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「デビュー35周年を迎え、ずっと応援してくださった方々へのお返しの1年にしようと、レコーディングしました」

 新作「音楽と私」は、リスナーに喜んでもらえることを最優先に選曲した。CDの1曲目は大ヒット曲「時をかける少女」。そして「ロマンス」と続く。

「『ロマンス』は、毎年、暖かい季節が訪れると私自身が必ず聴きたくなる曲です」

 キャリアを重ねてなお透き通る声。ギターが寄り添う曲があり、ピアノが寄り添う曲があり、ローズピアノやソプラノサックスと歌が溶け合う。

●景色や風を感じる歌

 ヒット曲が並ぶ中、本人の強い希望で選んだのが「ときめきのアクシデント」。中学生時代に主演したテレビドラマ「ねらわれた学園」のテーマ曲だ。

「ファンの皆さんに人気で、私にとっても大切な曲です」

 オリジナルのレコーディングは、東京で一人暮らしを始めたころだった。心配で、長崎に住む当時高校生の姉、貴和子さんに電話をして助言を求めた。

「お姉ちゃん、この節回し、どう思う」

 受話器を通して「ときめきのアクシデント」を歌った。

「こんな感じにしたら?」

 姉も受話器に歌い返す。

「今回の歌入れでは、私たちの10代を思い出しました。長距離電話の料金が心配で、姉も私も早口でしゃべっていた(笑)」

「天国にいちばん近い島」のレコーディングでは、同名映画の撮影で訪れたニューカレドニアの風景を思い浮かべた。

「イル・デ・パンという島で見た星空がよみがえりました。私はずっと、星は空を見上げるものと思っていたけれど、あの島では水平線まで数えきれないほど輝いていて。自分が宇宙にいる気持ちになりました」

 曲が生まれたときの風景や状況を思いながら歌っているからだろうか。「音楽と私」は、歌詞が描く物語の景色や、風の香りが感じられる歌ばかりだ。

 そんな全10曲(初回盤は11曲)から、原田自身に代表作を一つだけ挙げてもらうと──。

「やっぱり『時をかける少女』ですね。ライヴで歌うと、今も、どの街へ行っても、客席がすごく盛り上がります」

●音楽と女優 いつも新鮮

 松任谷由実が作詞・作曲を手掛けた原田のこの10代の大ヒット曲は、ステージではしばらく歌わない時期もあった。

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