東浩紀「初詣ベビーカー論争に見る『迷惑』と『権利』の混同」

eyes 東浩紀

東浩紀

2017/01/18 11:30

 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。
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 年始の休暇が終わり、ツイッターの画面を開くと、さっそくいつもの調子で「論争」が飛び込んできた。「初詣ベビーカー論争」である。はじまりはあるユーザーが元旦に投稿した一枚の写真。初詣で賑わう寺院に「ベビーカーご利用自粛のお願い」と大書された看板が出ている。この注意は正当か、日本社会の排他性を象徴していないかと大論争が起きた。ところが数日後に状況が変わる。あるメディアが取材を試みたところ、かつて同寺はベビーカー優先で、専用通路さえ設けていたが、悪用する利用者が多いため閉鎖に追い込まれたことが判明したのだ。論争に参戦した都議は、件の寺院に謝罪したことを明らかにした。

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