サブカルチャーと自衛隊、冷戦期も蜜月も

安保法制

2016/12/08 11:30

 サブカルにおける自衛隊イメージは、学園紛争世代を逆説的な権威主義と見る新世代(オタク第1世代)の台頭と共に変化していく。それでも80年代には、まだ自衛隊は揶揄の対象で、別冊宝島の『裸の自衛隊!』(91)は、「頼りない自衛隊」を笑いの対象として描いていた。

 こうした風潮が決定的に転換するのは湾岸戦争以降だ。おりしも雑誌連載中だったかわぐちかいじの漫画『沈黙の艦隊』(88~96)は日米安保下の対米従属に懐疑を突き付け、福井晴敏『亡国のイージス』(99)も国土防衛の問題をリアルに描いた。平成の「ガメラ」シリーズや「ゴジラ」シリーズの自衛隊も昭和に比べて勇ましい。

●サブカルへの接近

 自衛隊側からのサブカルへの接近も顕著だ。自衛隊には各地に地方協力本部(地本)があり、それぞれ独自の自衛官募集ポスターを作っているが、近年ではアニメ絵が増えている。美少女キャラが戦車を操るアニメ「ガールズ&パンツァー」の聖地・大洗を擁する茨城地本は、萌えキャラを起用して話題になった。帯広や香川の地本もアニメ絵ポスターを制作。徳島地本に至っては、アニメ絵に「今どきの萌える就職先」なるキャッチコピーまで添えた。いいのか。

「シン・ゴジラ」について、元防衛相の石破茂は、防衛出動ではなく害獣駆除の災害派遣が適切とし、それなら国会の承認は不要で、使用火器に制限はないと語っている。理論上、害獣駆除に戦車やロケット弾を使用してもいいらしい。本当に、それでいいのか。(著述家・長山靖生)

AERA 2016年12月12日号

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