グダグダすぎる部屋着で突然宅配便が来たら… ワンマイルウェアのお作法 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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グダグダすぎる部屋着で突然宅配便が来たら… ワンマイルウェアのお作法

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編集部・石田かおるAERA
グダグダすぎる部屋着で突然宅配便が来たら…(※イメージ)

グダグダすぎる部屋着で突然宅配便が来たら…(※イメージ)

「玄関は社会の入り口だって、そのとき思いました。家の中にいても社会は向こうからやってくる」

 以後、女性は家の中では無難なカットソーなどで過ごすようになった。でも三つ編みおさげだけは変えない。

「宅配便が来たらすぐ後ろでひとつにまとめます。彼らには前姿しかわからないから(笑)」

 自宅は“自分だけの楽園”と、無防備すぎる部屋着やくたびれた毛玉ファッションに身を包んで過ごす人も少なくないだろう。だが、部屋着のような普段着こそが重要で、1マイル(約1.6キロ、徒歩20分圏)のご近所にも着ていける「ワンマイルウェア」「ワンマイルコーデ」も注目されるようになった。「ノームコア」「ミニマリスト」などに象徴される、ここ数年のファッションのキーワードは「シンプル」。シンプルでさりげないカッコよさを備えたワンマイルウェア。うーん、難易度高し!

●ウチ着をSNS発信

 こうした流れのなか、本来男性の肌着で中高年の男性しか着なかった「ステテコ」が、おしゃれワンマイルウェアとして外でも着られるようになった。

「昨年頃から、“パジャマっぽいデザインモチーフ”がファッショントレンドになっている」

 と言うのは、パルコのウェブマガジン「ACROSS」編集長の高野公三子さん。家の中にあったものが外に押し出される、こうしたトレンドの背景にあるものは何か。高野さんは説明する。

「ワンマイルウェアは、もともと90年代頭に大手下着メーカーが欧米のようなルームウェアの新市場をつくろうと提案したのがきっかけでした。しかしこのときはあまり浸透しませんでした。ところが2000年代に入ってブログやその後のSNSの普及により、一般の人が自身のライフスタイルを発信するようになった。かわいい“ウチ着”が人気となって多様化し、内と外のグラデーションがなくなっていきました」

 フリーライターの奥麻里奈さん(34)がワンマイルウェアを意識するようになったのは、シェアハウスで。入居したのは、美容専門誌の編集部に勤めていた29歳のとき。この頃、仕事ではデザイン性のある少しとがった服を、家ではモコモコのジェラートピケのルームウェアでリラックスモードに、と切り替えていた。しかしそれをシェアハウスの共有スペースで着ていると、

「パジャマみたい」

 と言われることも。そのたび、

「これはルームウェア」

 と言い返していた。


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