【忍者の歴史】

<ルーツの時代>
601年 「日本書紀」(720年成立)に新羅からの間諜の存在が記録される
1175年 「東大寺文書」に黒田荘の「悪党」の存在が記される
13世紀 「悪党」と呼ばれる武士集団の活動が活発になり、荘園領主と対立
1331年 「臨川寺領等目録」に楠木正成を「悪党」と記録

<史実の中の忍者>
1338年 「太平記」(1370年ごろ成立)に「忍」として、忍者の存在が記録
1487年 甲賀衆が足利義尚の鈎(まがり)の陣を夜襲
1578年 第一次天正伊賀の乱。伊賀国に侵攻した織田軍に伊賀衆が奇襲を仕掛け奮闘
1581年 第二次天正伊賀の乱。織田軍により伊賀は壊滅的打撃を受ける
1582年 「神君伊賀・甲賀越え」。徳川家康が伊賀忍者や甲賀忍者の助けで三河へ帰還
1585年 上田合戦(徳川氏×真田氏)で忍者が活躍
1590年 家康が江戸城入城。伊賀忍者や甲賀忍者が江戸城の警備や鉄砲隊の仕事に就く
1600年 関ケ原の戦い。甲賀忍者が家康のもと、伏見城の戦いで奮闘
1637年 島原の乱。これを最後に、戦闘任務は消滅していったとみられる
1701年 江戸城で赤穂事件が起こる。赤穂周辺の藩が、状況を探るため忍者を放った
1716年 徳川吉宗が独自の情報収集機関「御庭番」を組織。この頃から忍者が「伊賀者」と呼ばれ始める

<江戸時代後期>
徳川幕府のもと、忍術道場ができ「免状」を渡すようになる。実在の忍が姿を消していく一方、小説や芸能では黒装束で手裏剣を打つといった、現代につながる忍者イメージが作られるように

<エンターテインメントの中の忍者>
1911年 雪花山人『猿飛佐助』(立川文庫)
1916年 初の忍者映画「甲賀流忍術」(無声)
1958年 司馬遼太郎『梟の城』(第42回直木賞受賞)。このころから忍者をモチーフにした小説、マンガ、映画が増える
1961年 白土三平のマンガ「サスケ」連載開始
1962年 映画「忍びの者」(山本薩夫監督)
1963年 映画「忍者秘帖 梟の城」
1967年 テレビドラマ「仮面の忍者 赤影」放映開始。原作は横山光輝のマンガ
1972年 特撮テレビドラマ「快傑ライオン丸」放映開始
1974年 池波正太郎「真田太平記」が週刊朝日に連載開始
1999年 岸本斉史「NARUTO-ナルト-」。その後、アニメ、ゲームにもなり海外でも爆発的な人気に
2013年 万城目学『とっぴんぱらりの風太郎』

参考文献:『The NINJA─忍者ってナンジャ!?─公式ブック』、山田雄司『忍者の歴史』

AERA 2016年8月8日号