専業主婦の女性(40)は、経営者だった80代の義父が、まだ小学2年生の孫に、自分の愛読書を毎週末持ってきては、読後の感想を求めるのに困っている。「高い志を目指すような内容なのですが、小学生が理解するのは無理です。あと時代が違いすぎて差別用語が載っているし、小さな虫がいっぱいついているし……」

 作家で『暴走老人!』などの著書もある藤原智美さんは、こうした祖父たちの行動をこう説明する。

「彼らは企業戦士として戦ってきた世代。家庭での子育ての現場を知らず、孫育ては会社における新人教育だと考えがち。部下は言うことを聞きましたが、子どもは思い通りにはなりません。また男性は、近所付き合いも知らないため、バレないと思い込んで、見えを張ったりもするのでしょう。社内では情報が回るとわかっていたので、嘘はつかなかったはずですよ」

AERA  2016年1月11日号より抜粋