安全で安心なパーリーなら女子も楽しめるセンセーション・ジャパン」のオーディエンス。スマホで「いま・ここ、わたしたち」を記録する。白のドレスコードでNGが出た人はほぼいなかった/千葉・幕張 (写真:SENSATION JAPAN提供)
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安全で安心なパーリーなら女子も楽しめる
センセーション・ジャパン」のオーディエンス。スマホで「いま・ここ、わたしたち」を記録する。白のドレスコードでNGが出た人はほぼいなかった/千葉・幕張 (写真:SENSATION JAPAN提供)

 ハロウィーンや音楽イベントなど、様々なシーンで集まる若者たち。こんなふうに集まって楽しむ若者、最近では「パリピ」などと言われる。彼ら惹きつける「パーリー」の魅力とは。

「パリピ」とは音楽イベントなどで遊びなれた人のことを指す「パーティーピープル」の略なのだが、クラブのDJが「partypeople」とネイティブ風に発音するのが「パーリーピーポー」と聞こえることから、広まった。

 そんなパリピの間で今年、話題を集めたのが、「センセーション・ジャパン」である。15年前にオランダで始まったハウスミュージックのイベントで、年々大型化。すでに33カ国で開催され、今年、日本に初上陸を果たした。動員は、2万人にも及ぶ。主な参加年齢層は20~30代前半の若者だ。

 参加するには条件がある。日本で主催したテレビ朝日ミュージックの宮崎浩平さん(40)は、こう言う。

「衣服は、すべて“白”でなければならないんです」

 厳しく、不自由でもあるドレスコードなのに、1万4千円という高額チケットが売り切れになった。

「消費意欲が低い」と思われてきた若者たちに、いったい何が起きたというのか。

 そこには日本独特の傾向があるのだろう。制限された条件の中で「差」をつけたいのだ。 むしろ、みんなが白を着ることで、一体感が得られる。もう一点、「白には精神を落ち着かせる効果がある」。病院に白壁が多いのと同じ理屈で、要するに、みんなが「やさしく」なる。それゆえ、女性が足を運びやすい場になった。

「安心、安全、一体感が支持された理由」(宮崎さん)

 完全円形のステージ上には、DJ。映像や花火、プロのダンサーの踊りを楽しみながら、オーディエンスも踊る。なかには、グローバル規模での人気を得る「EDM」という音楽ジャンルもかかる。ダンスフロアでは頻繁にこういう光景が見られる。

「みんな、スマホで、自分たちや情景を撮るんです」(同)

 盛り上がりがピークに達すると、何千という数のスマホが発光する。照明よりもまぶしいほどおびただしく、それは点滅する。

AERA  2015年11月30日号より抜粋