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唾液の力でインフルエンザ大幅減「顔体操」の方法は

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福岡県春日市立須玖小学校の5年生の教室。今年度から全校生徒で毎日「あー」「いー」「うー」「べー」を唱和する「顔体操」を始めた(写真:福岡県市立須玖小学校提供)

福岡県春日市立須玖小学校の5年生の教室。今年度から全校生徒で毎日「あー」「いー」「うー」「べー」を唱和する「顔体操」を始めた(写真:福岡県市立須玖小学校提供)

 口の中で自然に分泌されるはずの唾液。だが、近年ドライマウスの人が多い。

「正確な統計はありませんが、欧米の報告から換算すると、日本人の4人に1人はドライマウス患者ではといわれています」と話すのは、鶴見大学歯学部の斎藤一郎教授。

 口が乾くとどうなるのか。唾液には口の中を洗浄する働きがあり、抗菌物質なども含まれるため、唾液が減ると、特にこの季節は風邪やインフルエンザにかかりやすくなる。

 斎藤教授によると、ドライマウスの患者には大きく3タイプあるという。「唾液そのものが十分に出ない人」「出ているのに蒸発してしまう人」「出ているのに『乾いている』と感じる人」だ。

唾液の蒸発を防ぐため、口の周りの筋肉を鍛える「顔体操」を提唱するのは、福岡市にある「みらいクリニック」の内科医、今井一彰さんだ。この体操は大きく口を開き「あー」「いー」「うー」「べー」と声を出すだけ。一日30セットを推奨する。この四つの動作をすることが、口の中に張り巡らされた唾液腺からの唾液分泌を促すそうだ。

 特に舌を前に突き出す力を鍛えることで、口呼吸から、人本来の鼻呼吸に戻すことができ、病原菌が口から入るのを防げるという。寝るときの口テープと鼻うがいも推奨する。

 この顔体操で、インフルエンザの罹患率を減らしたのは、福岡県の春日市立須玖(すぐ)小学校。2008年から校内で試験導入、12年から全校生徒に家庭での実施も呼びかけると、同年からインフルエンザによる学級閉鎖がなくなったという。田中さえ子養護教諭はこう話す。

「唾液を通して、自分の努力で健康という宝物が手に入ることを子どもたちに教えています」

 福岡県八女(やめ)市の星野保育所星光園も12年春から毎朝の活動に取り入れ、インフル感染児をほぼゼロに。八女茶でうがいをし、手洗いをした後に、1~5歳の園児65人が声を上げる。

「免疫力が増していると実感します」(森田さゆり主任保育士)

AERA 2014年11月24日号より抜粋


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