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「監督ではなくキャプテン」ローソンが示すリーダー像

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ローソンCOO玉塚元一さん(51)ファーストリテイリング社長、リヴァンプ代表パートナーなどを経て、2010年にローソンへ。自身の社長就任について、「柳井正と新浪剛史の2大カリスマから薫陶を受けた社長はそうそういない」と笑う(撮影/楠本涼)

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COO
玉塚元一さん(51)

ファーストリテイリング社長、リヴァンプ代表パートナーなどを経て、2010年にローソンへ。自身の社長就任について、「柳井正と新浪剛史の2大カリスマから薫陶を受けた社長はそうそういない」と笑う(撮影/楠本涼)

 ローソンは、5月1日付で12年間経営の舵をとってきた新浪剛史に代わり、玉塚元一(51)が社長に就任すると発表した。新浪といえば、どん底だったローソンを「オレ流経営」で引っ張り、11期連続で増収増益をたたき出したカリスマ社長。その彼が記者会見で、社長交代を決意した裏にはこんな危機感があると語った。

「私の存在がローソンの成長を後退させてしまうかもしれない」

 3年前の東日本大震災のときだ。日常業務とは全く違う大混乱の中、支社の社員から役員まで一人ひとりが自分で考え、判断し、動くことで乗り切った。企業を強くするのは人だと、人材教育に力を注いできた成果が出た、と新浪は確信した。と同時に考えた。今後さらに「自ら考え、動く社員」を育てるにはどうしたらいいか。

 業績が不振のときは誰かが引っ張ることで組織は前に進むが、ある程度成長したとたん、「次の一歩」が難しくなる。絶対的指導者に頼ることに慣れてしまうからだ。これが一番、怖い。

「いま以上に飛躍するためには、一人の強いリーダーシップではなく、“チームワーク”で戦うべきだ」

 このチームワークを構築する、ローソンの新たなリーダー像を託されたのが玉塚だった。

 玉塚が描くリーダー像は単に指示を出す“監督”ではない。社員や加盟店の中に自ら入り込み、同じ目線で問題解決や戦略構築に取り組む“キャプテン”だ。

 例えば、玉塚の肝煎りで始まった淹(い)れたてコーヒーの「マチカフェ」。一杯一杯ドリップして手渡しするひと手間が必要な独自のコーヒーを広めるために、自ら全国行脚した。売れている店からは成功事例を吸い上げ、問題を抱える店では解決の糸口を考えた。

「ビジネスの答えは現場にしかない。どこへでも飛んでいく」

 プロジェクトの責任者らも連れて現場に行き、現場の空気感を共有する。この「ともに汗をかく」体験が多ければ多いほど、チームの絆は強まるという。多様な意見を聞く一方で、スピードも大事にする。現場からの意見に可能性を感じればすぐ具現化する姿勢を貫き、コンビニでは珍しい店内調理サービス「まちかど厨房」など、挑戦的な事業を次々に拡大させている。

AERA 2014年4月14日号より抜粋


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