「デルフィジェネティクス」もULBからのスピンオフ企業。大腸菌などの微生物からタンパク質を作る際、抗生物質を使わずに組み換えタンパク質の生産量を高める技術で特許を取得。

「抗生物質を使わないことでFDA(アメリカ食品医薬品局)の基準も満たすことができた」(ギィ・エラン最高財務責任者)と、世界的な製薬メーカーのグラクソ・スミスクラインやサノフィとライセンス契約を結び、事業を拡大させている。

 企業を応援するのはULBだけではない。リエージュ大学も、研究成果や技術を社会に移転する支援を強化している。

 同大学インターフェイス部門のジェフリー・グローレ氏によると、50人の職員が特許取得や創業支援について助言するほか、世界の800を超える企業と連携し、大学が持つ特許や技術の使用先を探す。同大学では1980年以降、100社がスピンオフし、現在も75%が存続しており、12年には約170万ユーロ(2億4千万円)のライセンス収入があった。これらの資金が研究開発費や創業支援に再投資される。

AERA  2014年3月24日号より抜粋