はなまるも03年、讃岐うどんブームを追い風に1年で約130の店を出した結果、離職率が前年比1.5倍に上がった過去を持つ。現場は混乱し、閉店も相次いだため、考えを改めた。

 まず出店ペースを年間25店程度の「ゆる増」に。そのうえで会社説明会では、社長自ら「うちの会社、キツイから入らない方がいいですよ」とジャブを打つ。採用のミスマッチを防いで長く働いてもらうため、「お母さんほど年の離れたパートに、指示を出せますか」「立ちっぱなしでも体力は大丈夫ですか」と実態をつまびらかに。結果、離職率は年々下がり、昨年は創業以来はじめて10%を切った。

「ホワイト企業を目指していたわけではない。でも、従業員を搾取して利益を出しても意味がない」(佐野さん)

AERA 2014年1月20日号より抜粋