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「『はなまるうどん』がホワイト企業すぎる」

 昨年、ネット上がにわかに沸いた。「本当か?!」「俺、就職する」……スタッフや客らのつぶやきが相次いだ。

「はなまるうどん」のはなまるでは通常、採用面接は本社か支社で行われるが、応募者が足を運べない場合は面接官が出向くこともある。年間休日は110日と特別多くはないが、取得率を本部がチェックして取得を促す。この手厚さを、管理本部の佐野博章さんは、「痛い過去に学んだ結果」と語る。

 一方で、外食産業の労働環境は、長い労働時間や体力的にきつい仕事などで「ブラック」と見られている。2012年、大学生・大学院生対象のアンケートをもとにまとめられた「就職したくない企業ランキング」には、大手外食企業がズラリと並んだ。

 背景のひとつには、外食企業の出店攻勢がある。外食の市場規模はここ15年で2割も縮小したが、企業は「更なる成長」を追い求め出店を繰り返す。しかしそのスピードにスタッフの採用・育成は追いつかず、既存スタッフが長時間労働や休日出勤で補わざるを得なくなる。

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