文部科学省によると、2011年度に全国で「指導が不適切」と認定された教員は168人。うち24人が依願退職し、11人が免職や休職の「分限処分」となった(撮影/今村拓馬)
文部科学省によると、2011年度に全国で「指導が不適切」と認定された教員は168人。うち24人が依願退職し、11人が免職や休職の「分限処分」となった(撮影/今村拓馬)

 学校の常識は社会の非常識、と言われることがある。都内の公立小学校に通う子どもを持つ保護者たちに聞くと、驚くほど非常識な教師たちがいることがわかった。

「僕の揚げ足とりばかりして授業の邪魔になる。このクラスからいなくなってほしいくらい」

 小学4年生のクラス担任の男性教師(36)は、授業中に自分に口答えした女子児童にこう言って、机ごと廊下に出して給食時間終了時まで放置した。

 後日、学校でこの児童の40代の母親が「子どもの意見を聞いてあげるのが先生の役目じゃないのですか」と教師に話すと、シクシクと泣き始め、「初めてそんなことを言われた」と、納得がいかないようだった。

 別の小学校の2年生のクラス担任で40代の女性教師は、授業中にしょっちゅうプリントばかりやらせて居眠りしていた。

「学校に苦情を訴えましたが、『寝ていません』の一点張り。この教師はネットオークションにはまっているとの噂がありました」(30代の母親)

 一方で教師を取り巻く環境は厳しさを増している。岡山市で教職員のためのカウンセリングルーム「沢田の杖塾」を主宰する元高校教師の森口章さん(68)は、教師たちも追い詰められていると訴える。

「業務量が大幅に増えて、教師はゆとりを失った。教育委員会も校長も自己保身に汲々として教師への管理を強め、教師たちは学校でお互いに本音を言い合うこともできずに孤立してしまっています」

AERA 2013年2月4日号