結局、怒らない人が長生きする

保坂隆著

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　先日、東京駅の構内でショッキングなシーンに遭遇しました。若いビジネスマンが、キャリーバッグを引いて歩いていたのですが、近くにいた60～70代くらいの男性の足に当たりそうになったのです。

　若い人は気づかずそのまま行ってしまったので、男性の怒りに火がつきました。

「どこを見てるんだ！　危ないじゃないか！」

　周りの人がいっせいに振り向くほどの大声をあげ、手にしていた傘を振りあげながら、若い人の後を追いかけようとしたのです。

　幸い、一緒にいた奥様が、「ちょっと、やめてちょうだい」と手を引いてとめたので何事も起きませんでしたが、もし止める人がいなかったら、傘で殴りかかっていたかもしれません。

　キャリーバッグが足に当たりそうになった……ただそれだけのことなのに、まさに「激高」「激怒」の様子。男性も連れの奥様もきちんとした身なりをしており、とてもそんな乱暴を働くような人には見えません。