接待やデートなどでの食事の際、意外と見られているその食べ方。和食、洋食、中華と、どんなジャンルが来ても対応できる食事のマナーは常日頃からきちんと知っておきたいものです。



 たとえば"イタリー料理の一番典型的なオードヴル"として伊丹十三のエッセイのなかにも登場する"プロシュート・クルード"、そして"プロシュート・クルード・コン・メローネ"こと生ハムメロン。



「プロシュートというのは、イタリー語でハムということだ。クルードというのは『生の』ということである。すなわち、生のハムであるが、これはたいへんにおいしい。(中略)これを、イタリー人は、普通メロンといっしょに食べる。これをプロシュート・クルード・コン・メローネという。(中略)ハムの脂っこさと、メロンの香り、あるいは適度の汁気、というものが、のっぴきならず調和するのである」(伊丹十三『女たちよ!』より)



 では、このメロンの上に生ハムの乗った"生ハムメロン"、どのように食べるのが正しいのでしょうか。



 本書『知っておきたい「食べ方」のマナー』ではこう解説されています。



①まずフォークとナイフを使って、生ハムをメロンから外し、皿の手前に移します。

②その後、生ハムを一口サイズに切ります。

③続いて、メロンは右から皮と果肉の間にナイフを入れます。2/3のところまで入れたならば、180度回転させ、同じく一口サイズに切ります。

④その一口サイズに切ったメロンの上に、こちらも先ほど一口サイズに切った生ハムを乗せ、右手にフォークを持ち替えて食べます。



 生ハムとメロンを一緒に切ったり、切らずにそのままかぶりついたりしないよう気をつけましょう。



 また本書では、イタリアンの最後によく出されるエスプレッソの飲み方についても紹介。エスプレッソコーヒーなどに使われるデミタスカップはもちろん、レギュラーカップであっても、カップは両手で持たないのがマナー。左手をカップの下に添えてしまうと、中身がぬるいという表現になってしまうので注意が必要です。



 本書では、箸やカトラリーの正しい使い方や立ち振る舞いの仕方、そしてさまざまな料理の正しい食べ方をイラスト付きでわかりやすく解説。食事の席で気まずい思いを自他共にしないためにも、おさえておきたいポイントが満載の一冊となっています。