女子会や朝食サービスも? ラブホテル研究者が明かす"ラブホ"の変遷 〈BOOKSTAND〉|AERA dot. (アエラドット)

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女子会や朝食サービスも? ラブホテル研究者が明かす"ラブホ"の変遷

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『ラブホテル進化論 (文春新書)』金 益見 文藝春秋

『ラブホテル進化論 (文春新書)』金 益見 文藝春秋

 昨今、若い女性の間で、ラブホテルで女子会を開くという"ラブホ女子会"なるものが流行しているのをご存知でしょうか? 



 シティホテルを普通に利用するよりもリーズナブルな価格で、時間や人目を気にせずにワイワイ騒げる、さらにアメニティグッズも充実していることから、女性に大好評なのだそうです。また、ホテル側でも女性、客を呼び込もうと、スイーツやモーニングを無料でサービスしたり、エステや岩盤浴を備えたりしているホテルもあるだとか。



 これまでにも、ホテル業界側ではラブホテルという言葉について回るイメージを払拭すべく、 "レジャーホテル""ブテックホテル""カップルズホテル"など、さまざまなネーミングをつけてきました。その努力もあってか、時代とともにラブホ="いかがわしい場所"から、"女性ウケするオシャレな空間"へと変貌を遂げつつあるのかもしれません。



 そんな日本独自の文化・ラブホテルの変遷について、わかりやすくまとめたのが本書『ラブホテル進化論』。著者の金益見(きむいっきょん)さんが、卒業論文もとに執筆した本書は、現役女子大学院生(※2008年の出版当時)のデビュー作ということでも注目を集めました。フットワーク軽く、日本全国のラブホ取材を敢行しましたが、その際には、取材先の中高年男性からセクハラ発言を浴びせられてトイレで泣いたこともあった、と本書のあとがきで明かしています。



 以前から在日韓国人3世ということを公表していましたが、出版時から通名の使用を止めて"金益見"の本名に。2012年に、研究をまとめた集大成『性愛空間の文化史』(ミネルヴァ書房刊)を出版して、ラブホ研究に一区切りつけた後は、自身の母校である大阪市東生野中学校夜間学級が実施している"えんぴつポスター"を取り上げて『やる気とか元気がでる えんぴつポスター』(文芸春秋刊)として刊行。戦争や貧困などの事情で、読み書きができなかった在日1世・2世の高齢者が、夜間中学で日本語を習得して書いた"えんぴつポスター"からは学ぶ喜びが溢れており、読む人に勇気を与えてくれる一冊となっています。



 気鋭の研究者として様々な分野に取り組んでいる金さんの出発点である本書ですが、日本人が知っているようで知らない"ラブホ"の変遷について解説した入門書として手に取ってみてはいかがでしょうか。


(記事提供:BOOK STAND)

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