撮影/写真映像部・松永卓也
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 電話取材の最中、世界貿易センタービルに旅客機が突っ込んだことを伝えると「浜松町に? 大変だ!」と言い残し、ドン小西さんはどこかへ逃げて行った。あれから22年。1096回の連載を振り返ると?

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──23年前ですよね。連載をお願いしに行ったのは。小西さんは大きな自社ビルを畳んで、西麻布のビルの一室に引っ越したばかり。意気消沈していると思いきや、初めて会った編集者のネクタイに、喜々としてツッコミを入れてましたよね。

ドン小西(以下、ドン):こっちは、一歩間違えば崖の下に真っ逆さま……なんてこともあるくらいリスクを背負って仕事してるわけだから。なのに当時やって来た編集者は、それまでまわりでは見たこともないザ・会社員みたいなイデタチでさ。だから「危機感ゼロ!」ってカツを入れたんだよ。

──私も第1回から担当して、いろんな発見がありました。例えばスーツだって人それぞれ。偉そうな人は偉そうなスーツ、気弱な人は気弱なスーツをちゃんと着てる。小西さんはどんな発見が?

ドン:今までも言ってるけど、ファッションはその人の内面を映す鏡ということは確信したね。それから、視覚に訴えることの大切さ。どんなに立派な人でも、どんなに成功した人でも、ファッションを間違えると、功績が霞むことがあるよね。

──時代時代で、誰も悪く言わないヒーローみたいな人が出てくるじゃないですか。すると、とくに昔は必ず毒舌でけなすのが小西さん。例えば今なら大谷翔平選手をけなすようなもの。その厚かましさ……じゃなかった、勇気はすごいなあと思ってました。

ドン:あたしは自分の感性と信念でものを言ってるからさ。世間に媚びたりしないんだよ。子どもの多い世代に生まれたから、言うこと言わないとその他大勢に埋もれちゃうし。実際、週刊朝日に書いたことで怒られたり、仕事を降ろされたことは何度もあるもんな。

──とある大企業の社長を取り上げたときは、「どっかの町工場の社長かと思った」とツッコんで、関係各所からお叱りを受けましたよね。その節はすみませんでしたー。

ドン:誰に謝ってるのよ。あの社長に? くだらないねえ。こっちがリスクを取ってチェックすれば、相手に感謝されこそすれ、恨まれることはないんだって。ほんと、教えてくれてありがとう、と言われることが多いもの。

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