このほか、薬品類がいくつも入っています。まずはリンデロンVGなど3種類の軟膏。プロペト・ロコイドクリームの入ったプラスチックのケース。

 薬袋が4個。その中身はもう30年以上、病院の薬局から処方され続けている高血圧症と痛風の薬です。花粉症対策で就寝前に1錠服用するエピナスチンも持っています。

 脳梗塞を予防するために十数年飲み続けているサプリメントのエヌ・ケー・シー・ピーの錠剤もあります。学生時代に空手の稽古で痛めた左膝関節を保護し下半身の老化を防ぐサプリメントのMSMも持っています。最近、良質な睡眠を得るためのアミノ酸のグリナが加わりました。

 このほか緊急用として胃の消化を助ける薬、鎮痛剤、抗下痢剤も持っています。小さいプラスチックのケースにはホメオパシーのレメディを何種類か常備しています。

 最後の第四のスペースには様々な紙類がファイルに入って納まっています。執筆中の原稿やそのための参考書類、講演の予定表などです。

 これだけ入っていると、カバンはずっしりと重くて、時にカバンを持ってくれる人が驚きます。

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

週刊朝日  2023年5月26日号

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