害虫の侵入を防ぐ対策が取られた樹木(神奈川県森林協会提供)
害虫の侵入を防ぐ対策が取られた樹木(神奈川県森林協会提供)

 ナラ枯れは厄介な副産物も生みやすい。

 ナラ類の枯れ木の近くで発生する性質がある毒キノコ「カエンタケ」だ。わずか数グラムでも口にすれば死に至る可能性があり、触れただけで皮膚に炎症を起こす可能性がある猛毒キノコで、トトロのふるさと基金でも注意を呼びかけている。

 ナラ枯れによってエサのドングリが足りなくなり、野生のクマが食料を求めて住宅地に出没するリスクについても研究が進められている。

 現時点で明確な因果関係は証明されていないが、可能性はゼロでないらしい。動物研究家のパンク町田氏は「クマは警戒心が強いので、エサが多少、少なくなった程度では街に出ていくことはほとんどないはずです。ただし、犬以上に知能が高いとされ、エサを求めてたまたま住宅地に行って食料を見つけた経験をすると、それが習慣化していく可能性はある。ドングリ不足がその呼び水になることがあってもおかしくはないでしょう」と言う。

 ナラ枯れ被害のある自治体では「ナラ枯れしている木を発見したら報告してほしい」と呼びかけている。

トトロの森の全景(トトロのふる里基金提供)
トトロの森の全景(トトロのふる里基金提供)

 ※週刊朝日  オンライン限定記事