(c)2022映画『千夜、一夜』製作委員会
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■渡辺祥子(映画評論家)

評価:★★★

失踪した夫を待つ女が2人。いつまでも待ち続けるであろう女と、途中でやめる女。どちらも心情を説明することはなく、片方は待ち片方はただやめる。言葉で理由を説明できないから映像で語る。これが映画と言いたいのかも。

■大場正明(映画評論家)

評価:★★★★

2人の女、というよりも不在の夫を含む2組の夫婦の関係がねじれ、思いもよらない繋がり、忘れ難い触れ合いが生まれる。脚本、演出、演技、佐渡の風景が一体となり、言葉にし難い複雑な感情や時の重みを描き出している。

■LiLiCo(映画コメンテーター)

評価:★★★

ドキュメンタリー出身の監督ならではのリアルさ。それを物語として魅せられる要素も満載。リアルだからこそ、ずっと気持ちがギュッと締め付けられる。生きる素晴らしさを語るには悲しみから責めるのも突き刺さります。

■わたなべりんたろう(映画ライター)

評価:★★★

淡々と展開するドラマながら、失踪した夫を待つ女性を演じる女優2人が激しい内面を秘めながらの抑えた演技で魅せる。ある人物が登場してからの展開が俄然、面白くなり、その先をもっと観たくなったが、余韻を残す。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2022年10月14・21日合併号