(c)2022映画『千夜、一夜』製作委員会
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 日本では年間約8万人が人知れず消え、そして誰かを待ち続ける人がいる。その事象に興味を持ったドキュメンタリー出身で、「家路」がベルリン国際映画祭に正式出品されるなど国際的な評価の高い久保田直監督が映画「千夜、一夜」という作品にした。

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 北の離島の美しい港町。島の水産加工場で働く登美子(田中裕子)の夫が突然姿を消してから30年の時が経った。彼はなぜいなくなったのか。生きているのかどうか、それすらわからない。漁師の春男(ダンカン)が登美子に想いを寄せ続けるも、彼女は愛する人とのささやかな思い出を抱きしめながら、その帰りをずっと待っている。

 そんな登美子のもとに、島の病院で働く奈美(尾野真千子)が現れる。彼女は2年前に失踪した夫を捜していたが、すでに自分のなかで折り合いをつけ、前に進むために、夫が「いなくなった理由」を探していた。そんなある日、登美子は街中で偶然、失踪した奈美の夫・洋司(安藤政信)を見かけるのだが……。

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

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