前田美波里(まえだ・びばり)/ 1948年生まれ、神奈川県出身。15歳でミュージカル「ノー・ストリングス」で初舞台を踏み、18歳の時に資生堂のキャンペーンガールとして注目を集める。舞台を中心に活躍中。主な作品に「コーラスライン」「Endless SHOCK」「マイ・フェア・レディ」など。
前田美波里(まえだ・びばり)/ 1948年生まれ、神奈川県出身。15歳でミュージカル「ノー・ストリングス」で初舞台を踏み、18歳の時に資生堂のキャンペーンガールとして注目を集める。舞台を中心に活躍中。主な作品に「コーラスライン」「Endless SHOCK」「マイ・フェア・レディ」など。

 1966年、資生堂の広告で一躍有名になったのが、当時18歳の前田美波里さん。56年後の今も、演劇を中心に活躍をしている。ブロードウェイミュージカル「ピピン」出演中の前田さんが舞台にかける思いとは?

【写真】74歳で空中ブランコで宙づりを披露する前田美波里さん

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 東急シアターオーブ(東京・渋谷)で9月19日(月・祝)まで上演中の「ピピン」。2019年に初の日本語版が上演され、3年ぶりの再演だ。前田美波里さんは初演時と同じく、主人公・王子ピピンの祖母・バーサ役として出演。前田さんは歌を歌いながら、高さ約3メートルの空中ブランコで宙づりなどのアクロバットを披露している。

「初演は70歳の時で、空中ブランコなんて初めてだったから、最初は怖かったですね。でも、トレーナーには74歳の今年の体のほうが断然いい!と言われました」

 前田さんが3年の時を経て同じ役柄を演じられているのは、日々の運動の賜物だという。幼い頃からバレエを習っていたが、最近は長年通っているジムの水泳レッスンに参加し始め、いい効果をもたらしているという。

「みんなと一緒に何かをするのが好きなので、一人で泳ぐのは好きじゃなかったんです。でも、コーチの体格の良さに憧れて水泳レッスンに参加してみたら、すごく面白いし、4泳法を覚えてからは楽しくて楽しくて! マシントレーニングは筋肉が付きすぎると困るし、デコルテ周りは美しくありたいので、あまりやっていません。水泳は体力もつくのでいいですね」

 前田さん演じるバーサは、人生の大いなる目的を模索中のピピンに「人生何が起きるかわからないから、さぁ楽しもう!」と歌いかけ、背中を押す重要な役どころ。舞台の山場の一つでもある。

「私もバーサと同じで年齢にあまり振り回されていないし、年だからという逃げの気持ちもありません。それだけに、70歳を過ぎてこんな素敵な役のオファーが来るのは幸せなこと。今の年齢だからこそできるバーサ役は神様からのご褒美です」

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