玉城デニー氏
玉城デニー氏
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「復帰50年」の政治決戦がくり広げられる9月11日投開票の沖縄県知事選が8月25日、告示された。当初は前回の2018年知事選と同様、立憲、共産、れいわ、社民、沖縄社大、にぬふぁぶしなどがまとまった「オール沖縄」が推す現職の玉城デニー氏と、自民党、公明党が推薦する前宜野湾市長の佐喜真淳氏の一騎打ちと見られていた。だが、前衆院議員の下地幹郎氏が名乗りを上げ、三つ巴の戦いとなった。

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 前回の知事選では、名護市辺野古の新基地建設阻止を訴えた玉城氏が過去最高の39万6632票を獲得。佐喜真氏に約8万票の大差をつけて圧勝した。

 今回、オール沖縄側には不安材料もある。今年に入って、名護、南城、石垣、沖縄の4つの市長選でオール沖縄は敗北を喫している。知事選の前哨戦と呼ばれた7月の参院選では、現職の伊波洋一氏が自民新人で元総務官僚の古謝玄太氏にわずか2888票差まで迫られて辛勝した。参院選の結果から、岸田文雄政権は知事選では勝算ありと踏んだのだろう。

「沖縄では、国政選挙で官僚出身の候補が勝ちそうになるくらい善戦することは珍しいのです。官僚は政府側の人間というイメージを持たれますからね。しかも、伊波さんは16年参院選と比べて8万票も減らしています。オール沖縄はかなり危機感を抱いています」(地元メディア関係者)

 だが、オール沖縄の赤嶺政賢衆院議員(共産)は強気の構えだ。

「岸田政権は参院選で徹底的に企業・団体を締め付けて、圧倒的な運動量と物量で組織活動を展開したのです」

 岸田首相はサミットから帰国した翌日すぐに沖縄入り。菅義偉前首相や茂木敏充幹事長、小泉進次郎元環境相らも訪れた。赤嶺氏が続ける。

「自民党は無名の新人が現職を僅少差まで追い詰めたと言っていますが、あれほど総力戦でかかれば1対1の闘いですから、そりゃ票を取りますよ。けれども、政府与党の巨大な力を持ってしても追い越せない壁があったのです。これまで国政選挙や県民投票で県民が示した辺野古反対の意志を絶対に潰されないようにしていく選挙として、私たちは臨んでいます」

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露骨に減額された沖縄振興予算