俳優は、役がなければ仕事にならない。求められなくなったら、自動的に役割は終わる。

「大学を休学して青年座に入ったことで、世の中の大きな流れに逆らった僕なので、ここから先は、求められるままに生きていこうかな、と。それに、学生時代にスポーツをけがで諦めた経験がある僕としては、こんなに長く続けられたのは芝居が初めてで、続ければ続けるほどおもしろくなっていく。演劇は、できないことが常にあって、だからいつまで経っても飽きないんです。むしろ、できちゃったら飽きちゃうんじゃないかなと思いますね」

(菊地陽子 構成/長沢明)

鈴木浩介(すずき・こうすけ)/1974年生まれ。福岡県出身。大学在学中の97年に劇団青年座に入団。2004年に退団し、その後は映画、ドラマ、バラエティー、舞台など幅広く活躍。ブレークのきっかけとなった「LIAR GAME」のほか、「ドクターX」「緊急取調室」などドラマシリーズで名バイプレーヤーぶりを発揮している。現在放送中のドラマ「ミステリと言う勿れ」では大学の准教授役。

週刊朝日  2022年3月4日号より抜粋