(c)Jennifer Hudson-AP
(c)Jennifer Hudson-AP

──制作にもかかわっているようですね。アレサの人生のどの部分を映画にするか、どう決めたのですか?

「監督や脚本家などと話し合い、何よりも彼女を真実に忠実に描くことが大切だと思った。個人的に映画に入れてほしいと希望した点は、彼女の信仰の深さ、ゴスペルへの情熱、それに常に忠実に彼女が生きたことなの。その点が重要だった」

──パフォーマンスのシーンは、ライブで? それとも後からの録音?

「アレサがやったのと全く同じ方法でやりたかった。彼女の人生を、私はスクリーンで俳優として体験し再現したかった。だからライブパフォーマンスのシーンはライブで歌い、レコーディングやラジオ番組のシーンは別録音した。例えばマーティン・ルーサー・キングの追悼式のシーンはライブなの。『ナチュラル・ウーマン』も。『エイント・ノー・ウェイ』は彼女が曲を覚えようとしているシーンなので、ライブではない。彼女はまだあの曲に馴染みがなく、それをそのまま私もスクリーン上で再現しようとした。これはちょっと大変だったの。すでに曲を知っていたので、一度忘れようとした。『アクセンチュエイト・ザ・ポジティヴ』はライブで録った。ライブのほうが圧倒的に多いわ」

──シンガーとしてだけではなく、映画はアレサの人間像を浮き彫りにします。一生を通じて多くの障害と闘った彼女を演じてみて学んだことは?

「自分自身との共通点を多く見つけた。彼女は女性として恋人として、アーティストとして、自分の道を開くために闘わなければならなかった。多くの役割を一人でこなすのは、容易なことではなかったと思う。彼女ほど成功した人が、仕事と私生活を両立させるのはとても難しかったのではないかと。それでも可能なんだということを証明してくれた。そこからインスピレーションをもらった。彼女の人生を演じることで、大きなパワーをもらった。またあれほどの才能があっても、人間としてさまざまな障害を克服しなければならなかったという点でも。彼女が克服したんだから、自分にも克服していけるんだと。他の人にも同様の気持ちを感じてもらいたいわ」

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