帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「信じられないこと」。

*  *  *

【パワー】ポイント
(1)内気功と外気功があるが、外気功は信じない人が多い
(2)英国のヒーリングも手のひらからパワーを放射する
(3)信じられないとき、その不思議をそのまま受け止める

 気功には内気功と外気功があります。通常行っているのは内気功で、自分自身でからだの内面の状態を正していきます。これに対して外気功は、施術者が対象者に気を送ることによって、状態を改善させます。手をかざすだけで、相手に変化を与えるというのですから、信じられない人が多いのも当然でしょう。

 私がやっているのはもっぱら内気功ですが、まれに外気功を行ったことがあります。大学時代の友人が肺がんで入院していたときに依頼があったのです。彼は誰もが知っている大会社の社長で、秘書からの連絡でした。病室に出かけて慣れない外気功を施術しました。

 しばらくして、また秘書から連絡です。「お陰で状態がよくなったので、またやって欲しい」というのです。結局、何回か出かけました。それで友人の気分が少しでもよくなってくれたのですから、うれしい限りです。

 外気功と似たものに英国で盛んなスピリチュアル・ヒーリングがあります。これは宇宙のソース(根源)に祈って、そのパワーをいただいたヒーラーが、患者のチャクラに向かって、手のひらからパワーを放射するというものです。

 その実態を知るために英国まで視察に行ったことがあります。ヒーラーの最大組織である英国スピリチュアル・ヒーラーズ協会が受け入れてくれました。そこで話を聞くと、このヒーリングがいかに英国で代替療法として定着しているかがわかりました。

著者プロフィールを見る
帯津良一

帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

帯津良一の記事一覧はこちら
次のページ