3回続けてまた秘書の私が書かせていただいているのは、風邪をひいて治りかけていた瀬戸内の体調がまたぶり返してしまったからです。咳もなくなり、だいぶよくなったように見えましたが、油断は禁物でした。体の内のことは本人もわからないようで、私たちはもっとわかりません。数字で見て、やっとわかるくらいです。

 来年100歳を迎える瀬戸内はコロナ禍になってから、法話もせず、人とも会わないので、以前より体力が衰えています。しかし、100歳なので当たり前のことです。

 弱っている瀬戸内を見ると、最近特に不安になります。私にとっては「無敵」な存在だったからです。「100歳」という数字をみれば誰でも高齢者ということはわかります。けれど瀬戸内はそういう括りに入らず、いつも超人的に元気だったからです。

 しかし、この頃はそうではなく、風邪でもひかれるとそれが命とりになることもあるので、私はいつも怯えています。願いは、「無事に年を越せますように」「5月の100歳の誕生日を迎えられますように」それだけです。

 また少し養生して、次回こそは瀬戸内が返事を書けるように! 読者の方々も待っておられるでしょう。

 料理も運動も苦手な横尾先生。運動が嫌いな私、よくわかります。逆上がり、出来たことありません。マラソンすると口の中に血の味が広がり、脇腹は痛いわ、いい思い出がありません。

 確かに、あんなに大きなキャンバスに絵を描き、また費やす時間や労力を考えると、フルマラソン以上の運動量があるように感じられます。

 先日瀬戸内の絵の整理をしていましたら、私が思うよりずっと絵が上手く、細かく、繊細で、驚きました。

 わざわざ冷凍庫で冷やした大福を、チンして温めて来客に火傷をさせて大笑いするような自由闊達な瀬戸内の描く絵とは到底思えませんでした。

 前回、絵は心を映し出すものと教えてくださった横尾先生。性格と絵は比例しますか?

 作品を見て、描いた人の人となりというものはだいたいわかるものなのでしょうか?

 横尾先生に伺いたいことは山ほどあります。いつかQ&Aのコーナーを設けてください!

まなほ

週刊朝日  2021年10月29日号