林:アウェーだったんですね。マネジャーさん、いたんですか。

高橋:そのときは劇団にいたので、一人で行きました。

林:一人でアウェーのところに行くって、つらいですよね。

高橋:自分としては憧れの映像の世界だったので、張り切って行ったんですけど、映像の世界の人なら当たり前のように知っていることも全くわからなくって、参りました(笑)。

林:うまくいくようになったのは、いつごろからですか。

高橋:いつからですかね。やっぱり場数を踏んでからですね。うちはなかなか厳しい事務所で、「何か現場に残して帰ってこい。そうじゃないと次の仕事につながらないから」ってつねづね言われてきました。ですから、いろんなことを考えて、やってみましたよ。たとえばお医者さんの役で、ちょっとした役なんでつくり込む必要なんてないのに、ものすごくつくり込んで、現場で「ズボンの裾をまくってサンダルばきでやりたいんです」って言ったら、「いらないよ、そんなの」って言われて帰ってきたりとか(笑)。

林:テレビでブレークしたのは何ですか。

高橋:やっぱり「ショムニ」シリーズ(98~13年)ですね。

林:あれはすごい視聴率でした。

高橋:5年間で3クールやって、スペシャルが3本ぐらいあったと思うんです。あれで数をやらせていただいて慣れてきました。

林:人気者になって、街でも声をかけられるし、テレビ局に入るときも「俺、芸能人になっちゃったよ」みたいな感じですか(笑)。

高橋:幕張のほうでロケがあったんですけど、電車で通っていてもそんなに反応されませんでしたね。たまに気づかれても、笑われる感じで。コメディーでしたから、「プッ、ショムニ!」みたいな(笑)。僕、名前で呼ばれることほとんどないです。「ショムニ!」とか「トリビア!」とか。

林:ああ、「トリビアの泉」ですね。

高橋:さすがに「グッディ!」とは言われなかったですけど(笑)。

林:アハハハ。お話をお聞きすると、高橋さんって、誰とでも仲良くなって、どこの現場でもうまくやれそうですよね。

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