美波さん(左)と林真理子さん [撮影/小山幸佑、ヘア:HAMA、メイク:AKII、スタイリング:谷崎彩、衣装協力:ステラ マッカートニー]
美波さん(左)と林真理子さん [撮影/小山幸佑、ヘア:HAMA、メイク:AKII、スタイリング:谷崎彩、衣装協力:ステラ マッカートニー]

 映画「MINAMATA」で、ジョニー・デップ扮する写真家のユージン・スミスの相手役(アイリーン)を好演した俳優の美波さん。作家の林真理子さんが、共演の舞台裏をうかがいました。

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本木雅弘の「推薦」のおかげ? 美波がジョニー・デップ相手役を射止めた訳】より続く

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林:みんなに聞かれると思うけど、ジョニー・デップと初めて会ったとき、ドキドキしました?

美波:正直、ジョニーと共演というプレッシャーより、英語でお芝居することのほうがプレッシャーでした(笑)。撮影に入る前に2週間弱、準備期間があったんですよ。そのとき、カメラテストがあって、ユージンの暗室という設定のセットで、ジョニーと私、カメラマン、監督のアンドリュー(・レヴィタス)の4人で、セリフもなくセッションしました。そのときに不思議とケミストリーが合ったんですよ。

林:化学反応したんですね。

美波:そのとき、「大丈夫」って、みんなホッとしたんです。アンドリューにとって、私を起用することは、賭けだったと思うんです。無名の女優で、しかも英語もそんなにできないのに、キーになる役を演じるんですからね。私もそのとき「ジョニーになら全部託せるな」という絶大な安心感と包容力を感じて、そのあと彼にはたくさん支えていただきました。

林:いい人だったんですね。

美波:ほんとにいい人で、撮影の合間に、彼専用のテントの中で、彼にギターを弾いてもらいながら私は絵を描いたり、いろんな話をしたり、素晴らしい方でした。

林:最高じゃないですか。もうすっかり仲良くなったんですか。連絡先も交換しました?

美波:はい、情報交換はしていますね。

林:ジョニーは「ミナミ」って呼ぶんですか。

美波:もちろん。

林:ワォ! すてき!(笑)

美波:やっぱりジョニーは、お芝居が上手なんです。すごいキャリアがある方なので、私がどんな芝居をしても受け止めてくれました。どこにカメラがあって、どこに照明があって、どう撮れば相手がどのように映るかが、本能的にわかってるんです。芝居をしながら、彼が私を、いちばんきれいに光が当たる場所に誘導してくれるんですよ。

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