実際の副反応は発疹が出るらしいが、それが出ていないので心配なしと診断されて、スポドリを飲んでタクシーで帰宅。まあ念のためと思って隣のクリニックで心電図を撮ってもらった結果、接種がヤだと思ったために自律神経が何やらして血圧が異常に上がったそうだ。もし頭痛がするならアセトアミノフェン錠を飲んでみて下さいと、その日は寝たが、深夜、腕が物凄く痛くなって、重くなって目が覚めたので、アセなんとか錠を飲んだら、翌日は倦怠感があるものの、小雨の中、アトリエまでソロリ、ソロリと向かって描きかけの絵を横目で睨みながら終日無為を通す。

 そして今日で5日目。どこか痛いとか悪いという自覚はないが倦怠感だけは残留して無気力を煽る。予備知識はあったものの実際になってみると、病気ではないらしいが、症状が治まるまで待機するしかない。このあと2回目のワクチン接種は高熱が出てかなりつらいらしいが、通過儀礼と思えば、マ、ええかと開き直って審判を待つ心境である。こういう時の安心材料になるのは医師の知人の存在である。普段しょっ中、病気をしているので、用途に合わせて何人ものすでに接種を終えた医師の知人に電話で体験談を語ってもらってホッとすることができた。

 僕はタマタマ高齢者だから早いとこ済ますことになったが、まだ2度目の難関を突破していないので、わかったような話はできないけれど、まあ皆様、僕ほども恐れることはありません。用心深い僕はさらにツイッターで、体験者に呼び掛けたところ、医師や看護師、さらに高齢者を身内に持つ人達から興味ある報告をツイートしてもらっているので、もし心配だったら僕のツイッターを見ていただくと何らかの参考になるのではないかと思います。

 セトウチさんは99歳の超高齢にもかかわらず痛くも痒くもなくクリアーされたけれど、セトウチさんは怪物なので、どれほど一般人には参考になるかどうかははっきりいえません。もし僕が99歳だったら、もう先き短いんだから注射で痛い目にあいたくないと、棄権すると思います。やっぱり、セトウチさんはまだまだ生きて103歳まで小説を書くとおっしゃっています。103歳と言わず、もっともっと死ぬまで生きて下さい。セトウチさんの寿命はまだ終っていません。では来週。

週刊朝日  2021年6月25日号