岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、クロアチア・スルニ自治区ラストケ村の「猫の竜が滝を案にゃい」です。

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 家々の間を小川が縫うように流れる幻想的な景色で、妖精の住む村と謳われるラストケ。

 川が滝のように勢いよく流れこむ場所で、黒白と茶トラの猫が朝のパトロールをしていた。黒白の名はムニョ、おバカさんという意味らしい。茶トラの名はズマヨ、こちらは竜。ずいぶん違うね、とレストランを営むご主人と笑った。

 水しぶきのなかを、苔むした崖の上まで案内してくれたふたり。まったく水に動じない。妖精ではなく、竜のようにたくましい猫たちと出会えた。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2021年4月30日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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