商品の変更は、専用サイト内にある自身のページからいつでもできる。チェックしたことがない人はまず、サイトを確認し、どんなデータや情報が掲載されているのかを知ることから始めよう。不慣れな人は、金融機関のコールセンターがあるので相談するとよい。

「これから」のことはわかった。では、冒頭の2人のように、今回の株高で膨らんだ利益はどうすればいいのか。

 一本調子で上がってきた株価も、最近は足踏みしているようにも見える。とすると、プラスが大きいほど「『利益確定(利確)』しておいたほうが……」と思うものだが、先の深野氏は「今回は『異常ケース』。同じことが2度起きるとは思わないほうがいい」と前置きしたうえで、これも年齢によって考え方が変わるという。

「30代や40代は運用できる期間がまだまだ長い。新たな拠出がどんどん続くし、複利効果を考えても、慌てて売る必要はどこにもありません」

 つまり、若手や中堅の社員は基本的に何もする必要はない。そのままにしておいて、さらなる成長に期待を託せばいい。冒頭のnorikiartさんも、

「私は40代前半なので、当然、何もしないことを決めています」

 では、50代以上はどうか。

「55歳くらいが境目になるでしょうね。今は60歳から70歳、来年4月からは改正で75歳までに受け取りを開始すればいいので、55歳だと最長20年間、運用し続けることが可能になります。相場が下がっても、挽回(ばんかい)できる時間があると思うなら、まだ利益確定する必要はありません」(深野氏)

 とすると、55歳以上は利確してもいいのか。

「60代前半でお金を使う予定がある場合は、利確してもいいでしょう。使う予定がなくても、その年齢なら半分ぐらいを利確しておくことは十分考えられます」(同)

 長期投資なので、あくまで全部ではなく一部の利確にとどめ、なお増えるチャンスを残しておくわけだ。

 ただし、会社によって違うものの、60歳以降は基本的に会社から拠出金は出なくなる。会社を退職すれば、口座管理に年間数千円かかる手数料も自己負担だ。つまり60歳以降は、それまで積み上がった残高を手数料を支払いながらの運用になることは知っておきたい。

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